ネット上で囁かれる「ふみふみこ 宗教」という検索意図のほぼすべては、2014年から連載が開始され、全3巻で完結した自伝的コミック『愛と呪い』に起因しています。検索結果だけを見た一部の読者が「現在も新興宗教の熱心な信奉者なのではないか」と誤認するケースが散見されますが、これは明白な事実誤認です。
ふみふみこ氏は、新興宗教にのめり込む母親の元で育った、いわゆる宗教2世としての当事者です。『愛と呪い』は、教義を賛美・宣伝する作品などでは一切なく、むしろ宗教という名のシステムがどのように家庭を侵食し、個人の尊厳を奪っていくのかを冷徹かつ痛切な筆致で描き出したドキュメンタリー的マンガ作品です。著者が自らの内面をえぐるようにして描き出した「実話」の重みが読者に強烈な衝撃を与え、現在に至るまで宗教というキーワードと結びついて語り継がれています。