植物観察や理科の授業で真っ先につまずきやすいのが、「そもそも何を基準に分ければよいのか」という分類の根本です。結論から言えば、その判定基準は花弁(花びら)が根元まで完全に独立しているか、それとも一部または全体がくっついている(合着している)かという一点に集約されます。
植物界の体系的な位置づけを整理すると、種子で増える「種子植物」のうち、胚珠が子房に包まれているグループを「被子植物」と呼びます。この被子植物は芽が出る際の子葉の数によって「単子葉類(ユリ、ツユクサ、イネなど)」と「双子葉類」に分かれ、さらに双子葉類を花弁の構造で二分したものが「離弁花類」と「合弁花類」です。
離弁花(りべんか、Polypetalous flower)は、花びらを1枚ずつピンセットで引っ張ったときに、隣の花びらを巻き込まずにパラリと単体で外れます。サクラの花びらが風に舞って1枚ずつ散る様子をイメージすると直感的に理解しやすいでしょう。これに対して合弁花(ごうべんか、Gamopetalous flower)は、花びらの根元(筒状部)がつながっているため、1枚を引っ張ると花全体がついてくる構造をしています。
かつて広く使われていた「新エングラー体系」などの植物分類学において、離弁花類は原始的な特徴を残すグループ、合弁花類はより効率的な受粉を求めて花びらを合体させた進化したグループとして位置づけられてきました。現在主流の分子系統解析(APG体系)では分類階級としての離弁花類・合弁花類という枠組みは見直されつつありますが、形態学的な特徴を捉える基礎教養として、今なお教育現場や自然観察において不動のスタンダードとなっています。