ヤクザが法規制によって身動きを封じられる中、急速に裏社会の主導権を握ったのが、SNSや暗号化通信アプリを駆使する「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」です。特殊詐欺や強盗、闇バイトを組織化する彼らは、固定的な事務所も看板も持たず、メンバー同士も本名すら知らないまま離合集散を繰り返します。
かつては「トクリュウの上流に暴力団が存在し、利益を吸い上げている」とみられていましたが、現在の力関係は大きく変容しています。
- 看板の無価値化:暴力団の代紋(看板)を出すこと自体が暴対法・暴排条例の標的となるため、トクリュウ側からすれば「ヤクザと関わることこそ最大のリスク」となっている。
- 主導権の逆転:デジタル技術や資金洗浄ルートを持つトクリュウ側が、資金力のない暴力団員を「受け子」や「見張り役」などの使い捨て要員として雇う事例が発生。
- ノウハウの流出:暴力団から離脱した元組員が、暴排条項を回避するためにトクリュウの指南役や調達役に鞍替えし、犯罪の手口を拡散させている。
「任侠道」や「組織への絶対服従」といった精神的縛りは完全に形骸化し、単なる金銭的利益だけで結びつくフラットで冷酷な犯罪ネットワークへと、裏社会の主役は完全に交代しました。