コミュニケーション論や心理学の観点から見ると、LINEプロフィール画像にディズニーを選ぶ行為には、持ち主の無意識の心理メカニズムが色濃く反映されています。臨床心理士やSNS行動分析の専門家が指摘する主な動機は、「防衛本能」と「理想自己の投影」の2点に集約されます。
第一に働くのが、「敵意のなさ」を周囲に知らしめる心理的バウンダリー(境界線)の形成です。ディズニーキャラクターは、人種や世代を超えて「善・純粋・幸福」の象徴として世界中で認知されています。自分のリアルな顔写真を晒すことには抵抗があるけれど、風景や無機質な幾何学模様では素っ気なく見えてしまう――そうした葛藤を抱える現代人にとって、ディズニーは「私は無害で、攻撃的な人間ではありません」という友好的なメッセージを即座に伝える安全装置として機能します。
第二に、ディズニー アイコンの心理で特に女性層に強く見られるのが、ユング心理学における「元型(アーキタイプ)」に近い、ディズニープリンセス アイコンへの同一化です。アリエル、ベル、ラプンツェルといったヒロインたちをアイコンに選ぶ心理の奥底には、「逆境でも自分を信じたい」「いつまでも可憐で気品ある存在でありたい」という自己の理想像(アイディアル・セルフ)が宿っています。本人は決して他人に媚びているつもりはなく、日々の過酷な現実社会の中で、自分自身の自己肯定感を保つためのお守りとして設定しているケースが少なくありません。
一方で、物議を醸しやすいディズニー ペア画のカップル心理には、社会心理学における「関係性の対外的な可視化(マーキング行動)」が働いています。ミッキーとミニー、ドナルドとデイジーのイラストを左右で組み合わせる設定は、二人の親密さを確認し合う「共同作業の儀式」であると同時に、「私たちは強固に結ばれている」というシグナルを第三者に発信して浮気を牽制する心理的防壁でもあります。しかし、プライベートな情緒的つながりをビジネスや知人が混在するLINE空間で公然と誇示することは、無意識のうちに他者との適切な境界線を侵食してしまうため、「痛い」「見ていて居心地が悪い」という反発を買いやすくなるのです。