「分配器を設置したら、今まで綺麗に映っていたテレビまで急に映らなくなった」「リビングのテレビを消すと、寝室のBSがブラックアウトする」という相談は、アンテナトラブル相談の約4割を占めます。現場検証から判明している主な原因は以下の5点です。
1. 分波器と間違えて設置している
テレビ背面の「地デジ入力」「BS/CS入力」に対して分配器を接続してしまうと、本来届くべき周波数帯が適切に振り分けられず、受信強度が不足して画面がブラックアウトします。
2. BS/CSアンテナへの電源供給遮断(通電タイプの不一致)
戸建て住宅などで個別設置したパラボラアンテナは、テレビ本体からアンテナケーブルを通じて直流電源(DC15V)を送ることで動作します。「1端子通電型」の分配器を使用している場合、通電端子に接続されたメインテレビの電源が切れるとアンテナへの給電がストップし、他の部屋のテレビでBS/CSが受信できなくなります。
3. 分配による信号レベルの急激な減衰
分配器を通すと、入力された電波エネルギーは物理的に分割されます。一般に2分配で約4dB、3分配で約6〜8dB、4分配で約8〜10dBの減衰が発生します。もともと電波状態がギリギリだった地域や集合住宅では、分配した瞬間にテレビの受信可能閾値(C/N比および信号強度)を下回り、ブロックノイズやE201/E202エラーが発生します。
4. アンテナケーブルの規格劣化と芯線の接触不良
分配器前後のテレビアンテナケーブルに、古い規格の「3C-2V」や細いケーブルを使用していたり、F型接栓の内部芯線が曲がっていたりすると、接続部分で著しいインピーダンスの不整合が起き、特定チャンネルだけが映らなくなります。現在はシールド性能の高い「S-4C-FB」や「S-5C-FB」規格が必須です。
5. 4K8K非対応機器による高周波帯域のカット
従来の2K地デジ・BS用分配器は伝送周波数帯が2150MHz程度までしか対応していません。新4K8K衛星放送(左旋円偏波)は最大3224MHzまでの超高周波を使用するため、非対応の古い分配器を通すと4K専門チャンネルが全く受信できなくなります。