日本代表のメンバー選考を単なる「うまい選手の上位23人集め」と捉えると、本質を見誤ります。スポーツ心理学や組織論の観点から見れば、代表チームの選考は「短期間で最大出力を発揮する限定的高機能チームの構築」に他なりません。
スター選手ばかりを並べても、守備の役割分担やピッチ外でのベンチワークが機能しなければ、国際舞台ではあっけなく瓦解します。森保監督が長年重用する選手たちには、「戦術の基準点となれる理解度」「途中出場でも即座に試合へ没入できる集中力」「若手をサポートする心理的安全性を作るコミュニケーション力」という、スタッツに表れにくい組織的価値が備わっています。
ファンが代表戦をより深く楽しむための判断基準は、「なぜあの選手が入ったのか」だけでなく、「このメンバー構成によってチーム全体の心理的バランスと強度がどう保たれているか」に着目することです。その視点を持つことで、毎回のメンバー発表記者会見が極上のエンターテインメントであり、高度な組織マネジメントの縮図であることが実感できるはずです。