ガールズバー業界で長年囁かれてきた最大の盲点が、「カウンター越しにお酒を作って話しているだけなら接待にならない」という誤った言説です。法的な判断において、物理的なカウンターの存在は免罪符になりません。
法律上の根拠となるのが、風適法第2条接待行為の定義です。同法および警察庁の解釈運用基準において、接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。具体的に摘発の対象となる境界線は、以下のポイントで厳格に線引きされています。
まず、特定のお客に対して「継続して会話に興じる行為」です。客が注文したドリンクを注ぎ、短時間の世間話をする程度であれば通常の給仕ですが、特定の客の前に張り付き、指名を取ったかのように30分、1時間と話し相手を続ける行為は立派な接待とみなされます。たとえカウンターを隔てていても、実質的にキャバクラの指名接客と変わらない実態があれば、ガールズバー無許可接待摘発の直撃を受けることになります。
さらに、客と一緒にゲームやダーツで盛り上がる行為、カラオケでデュエットを歌う行為、客に手酌をさせる行為やおねだりによるキャストドリンクの連続注文も、客の歓楽度を高める接待行為と判定されます。現場の摘発事例では、覆面捜査官(身分を秘匿した警察官)が一般客として入店し、スタッフの配置や会話時間、身体への接触の有無などを克明にメモ・録音したうえで、外形的な証拠を固めてから立ち入り調査へ移行するケースが定石となっています。