首都圏を管轄する警視庁組織犯罪対策部は、裏社会の資金獲得活動が急激に変化していることに強い危機感を募らせている。従来の興行や建設、不動産といったアナログな利権から、フィッシング詐欺、暗号資産のマネーロンダリング、不正アクセスなどのデジタル領域へと主戦場が完全に移行したからだ。
インターネット上の匿名空間を悪用した特殊詐欺や不正送金ビジネスにおいて、暴力団の旧来の威圧感は直接表に出ない。代わりに彼らが提供するのは、実行役の調達、盗品の回収ルート、あるいは回収した資金の洗浄という高度なバックオフィス機能である。目に見えないサイバー空間で犯罪インフラを提供する黒幕としての存在感が、警察当局の捜査をよりいっそう難航させている。