名古屋市市政資料館の最大の衝撃は、有料の美術館や博物館を凌駕するほどの建築クオリティを有しながら、完全入場無料を貫いている点にあります。公的資料によると、本館は1922年(大正11年)に「名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎」として建設された近代司法建築の最高峰です。1984年(昭和59年)にはその歴史的・芸術的価値が認められ、国の重要文化財に指定されました。
近年の人気急上昇の引き金となったのが、NHK連続テレビ小説『虎に翼』のロケ地としての露出です。主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)らが足繁く通う「東京地方裁判所」本館の外観および内部シーンの撮影地として活用され、劇中の重厚な世界観を支える象徴的な舞台となりました。これまでも『坂の上の雲』や『花子とアン』など名だたる映像作品の舞台となってきましたが、司法をテーマにした『虎に翼』の放送を機に、法曹関係者やドラマファン、建築愛好家が全国から押し寄せる現象が起きています。
現地を訪れた来訪者からは、「これが無料で見学できるのは名古屋市の懐が深すぎる」「ドラマのワンシーンに入り込んだような没入感がある」といった驚きと称賛の声が相次いでいます。公の文化財として市民に広く開放する方針が維持されているからこそ、世代や国籍を問わず高い満足度を獲得しています。