タイトルの「スーパーボール」というモチーフは、主人公の心のありようを極めて巧妙に象徴しています。スーパーボールは、少しの力を加えただけで予期せぬ方向へ高く跳ね上がり、自分の手元から容易にすり抜けていってしまう性質を持っています。
歌詞中では、相手の何気ない仕草や言葉に過剰に反応して舞い上がってしまう自分と、次の瞬間には地面に叩きつけられたように落ち込んでしまう激しい落差が描かれます。「好き」という感情が大きくなればなるほど、自分の意志では軌道を修正できなくなる――この「感情の非同期性」こそが、スーパーボールという言葉に託された最大の比喩です。
さらに注目すべきは、主人公が抱える「片思いの距離感」です。ただ純粋に相手を慕うだけでなく、相手の前で素直になれずに強がってしまったり、自分だけの秘密として胸の痛みを抱え込んだりするリアリティが存在します。表面的なメロディの明るさに耳を奪われがちですが、歌詞の全文を丁寧に追うと、そこには他者と心を通わせることの難しさと、それでも止められない情熱の葛藤が生々しく息づいています。