かつて旧安佐市民病院の前は、路線バスが頻繁に行き交い、外来患者や見舞い客、医療従事者で昼夜を問わず賑わっていました。当時の様子について、病院門前で長年営業を続けてきた個人商店主は取材に対し次のように述懐しています。
「病院が荒下(北部医療センター)へ移転した直後は、人通りが目に見えて減り、まるで街から急に灯りが消えたような寂しさがありました。ですが、更地化が進むにつれて『次はどんな店ができるのか』『医師会病院が来ればまた人の流れが戻る』と、前向きな会話が地域で増えています。」
また、近隣の住宅地に暮らす子育て世帯やシニア層からは、現実的な生活基盤の充実を求める声が顕著です。
「JR中島駅や可部駅からも比較的近く、歩いて行ける距離に大型スーパーや専門クリニックが揃えば、車を手放した後の老後生活も格段に安心できます。渋滞を引き起こすだけの派手な施設ではなく、日常に根ざした場所になってほしい。」
現場取材を通じて浮き彫りになったのは、住民が求めているのは一過性の観光・娯楽施設ではなく、「医療・買い物・交流が徒歩圏内で完結する生活の安心感」であるという動かしがたい事実です。