早朝の風が吹き抜ける特設コース。数千人のランナーが一斉にスタートを切る。かつて、こうした大規模大会での写真特定は至難の業だった。折り目のついたゼッケン、影になった数字、あるいは他のランナーに隠れた一瞬。それらすべてを識別するのは、膨大な時間と労力を要する作業だった。
しかし、最新のAIエッジソーティング技術がそのハードルを一気に取り払った。走る姿勢のクセや身に着けたギアの特徴、さらには骨格の動きまでを多角的に解析。カメラがシャッターを切った数秒後には、該当するランナーの専用アルバムへ自動分類される。泥にまみれた極限状態のトレイルランニングであっても、高精度な認識率は揺らがない。参加者は完走の余韻が冷めないうちに、自らの躍動感あふれる姿を画面上で確認できるようになった。