日本国内で大きな関心を集めていた札幌市への招致活動は、最終的に完全な撤退を余儀なくされました。その札幌オリンピック招致断念の理由には、国内外の複合的な要因が絡み合っています。
最大の要因は、東京2020大会を巡る汚職・談合事件によって急速に冷え込んだ国内世論です。市民や道民を対象とした意向調査でも反対の声が過半数を占め、巨額の税金投入に対する説明責任を果たせない状況が続きました。さらに、北海道新幹線の札幌延伸工事の遅れや資材高騰に伴う施設改修費用の増大が追い打ちをかけました。
対照的に、ソルトレイクシティは地元住民の支持率が80%を超え、すでに主要施設が稼働しているという絶対的な強みを有していました。IOCが求める「住民の合意」と「既存資産の再利用」という基準において、札幌はソルトレイクシティとの競争に耐えうる条件を揃えられなかったのが冷徹な現実です。