すべての発端は、火薬庫から大量の特殊火薬が強奪された事件でした。直後、高校生探偵・工藤新一宛てに届いた謎の男からの爆破予告電話。コナンは変声機越しに挑発を受けながら、緑地公園のラジコン飛行機、駅前のネコ用キャリーバッグ、そして環状線(東都環状線)を走る列車へと仕掛けられた時限爆弾の解除に奔走します。
犯人の要求と爆破カウントダウンのタイムリミットに追われる中、コナンは爆弾の設置場所がすべて、日本屈指の高名な建築家・森谷帝二の設計した建造物である事実に到達します。そして事件は、森谷が手掛けた最高傑作「米花シティビル」を舞台とした未曾有の爆破テロへと発展。運悪く5月3日の夜、新一の誕生日前夜祭として映画館にいた毛利蘭が、ビルの崩落によって密室となったフロアに閉じ込められてしまいます。
崩落現場に駆けつけたコナンですが、瓦礫で歪んだ非常扉に阻まれ、蘭のもとへ入ることは叶いません。手元に残されたのは設計図とトランシーバーのみ。火災報知器のベルと刻限を告げる電子音が響く中、コナンは変声機で新一の声を使い、壁越しに蘭へ爆弾の解体指示を伝えます。
最後の1本を切れば解除できるという極限状態。しかし、設計図にない「赤」と「青」の2本のコードが姿を現します。どちらかを切れば爆破、あるいは生還。新一は「お前の好きな色を切れ」と告げ、運命のすべてを蘭に託します。タイムリミットの午前0時、静まり返った廃墟で響いた解除音。蘭が選んだのは青いコードでした。奇跡的な生還を果たし、物語は2人の切なくも確かな絆を浮き彫りにして幕を閉じます。
本作の緊迫感を支えているのが、声優キャスト陣の卓越した演技力です。江戸川コナン役の高山みなみ氏による鬼気迫る推理劇、工藤新一役の山口勝平氏が壁越しに見せた哀切に満ちた叫び、毛利蘭役の山崎和佳奈氏の震える決断、そして犯人・森谷帝二を演じた故・石田太郎氏の重厚かつ狂気に満ちた怪演は、劇場版シリーズの確固たる礎となりました。