等価交換の原則を無視し、無尽蔵の錬成を可能にする伝説の霊薬「賢者の石」さえあれば、元の肉体を取り戻せる――そう信じて各地の伝承や偽石の調査を続けていた兄弟は、やがて軍の暗部が巣食う中央都市セントラルへ導かれます。そこで元軍部所属の研究者ティム・マルコー博士から託された暗号書を解読したエドとアルは、魂を凍りつかせる真実に直面しました。
賢者の石の正体、それは「生きた大量の人間」を錬成陣で絞り上げ、その魂と生命力を限界まで濃縮・結晶化させたものだったのです。
かつて内乱で壊滅したイシュヴァール殲滅戦の裏で、数万人規模の市民や捕虜が賢者の石精製のための生贄にされていた事実。さらにセントラル地下にある「第五研究所」では、死刑囚の生体データを用いた非人道的な人体実験が日常的に繰り返されていました。「元の体に戻るために、他人の命を消費するわけにはいかない」と誓った兄弟は、賢者の石を使わずに体を取り戻す道を決意します。
しかし、その背後には国家そのものを巨大な錬成陣に見立てた、底知れぬ巨悪が蠢いていました。それが、七つの大罪の名を冠する人造人間「ホムンクルス」たちです。
これらのホムンクルスを生み出し、裏で統率していた元凶こそ、地下深くで暗躍する「お父様(フラスコの中の小人)」でした。国家最高指導者である大総統ブラッドレイすらも彼の駒に過ぎず、アメストリスという国家そのものが、国土全体を円形に取り囲む「巨大な国土錬成陣」を完成させるためだけに作られた人工牧場だったのです。