男性アイドルの「新御三家」が1972年頃から歌謡界を席巻する中、女性アイドルシーンでは1971年デビューの「新三人娘」(小柳ルミ子、南沙織、天地真理)が先行してアイドルブームの火付け役となっていました。しかし、1972年から1973年にかけて相次いで登場し、新三人娘の牙城を揺るがす勢いでトップスターへ駆け上がったのが、麻丘めぐみ、アグネス・チャン、浅田美代子の3人です。当時の芸能誌やテレビ番組において、彼女たちは男性の新御三家と並ぶ時代のアイコン、すなわち「女性新御三家」や「第二世代三人娘」として大きくクローズアップされました。
彼女たちの登場は、それまでの歌唱力重視や作られた清純派という枠組みを超え、ヘアスタイル、独特の訛りやキャラクター性、ドラマタイアップといった「個性の可視化」を加速させました。麻丘めぐみがトレードマークとした「姫カット」は全国の少女たちの間で社会現象となり、香港から来日したアグネス・チャンの高く澄んだ歌声と流暢でない日本語の愛らしさは異国情緒ブームを巻き起こしました。さらに浅田美代子は国民的ドラマ『時間ですよ』から誕生した庶民的ヒロインとして、従来のスター像とは一線を画す圧倒的な親近感を獲得したのです。