北海道におけるドクターヘリ事業は、2005年に道央圏で本格運航が開始されて以来、段階的に配備が進められてきました。現在運用されている4機体制は、それぞれの拠点が明確な担当エリアを持ちつつ、境界付近や大規模災害時には相互にバックアップし合う強固な広域連携網を構築しています。
道内4大拠点を担う基地病院の役割は以下の通りです。
1. 手稲渓仁会病院(道央ドクターヘリ)
2005年4月に北海道で最初に運航を開始した拠点です。札幌市手稲区に位置し、石狩、後志、空知、胆振、日高など、道内人口の半分以上が集中する過密地域と広大な後方地域を管轄します。高度救命救急センターとしての強固なバックアップのもと、外傷救急から重症内科疾患まで極めて高い出動頻度を誇ります。
2. 旭川医科大学病院(道北ドクターヘリ)
2009年10月に運航を開始。上川、留萌、宗谷、オホーツク圏など、日本最北端の宗谷岬から大雪山系に至る極寒かつ広大なエリアを担当します。へき地・離島(利尻島・礼文島など)の医療機関との連携実績が豊富で、大学病院ならではの高度専門医療と迅速な初期治療を両立させています。
3. 市立釧路総合病院(道東ドクターヘリ)
2011年10月に導入された道東エリアの守護神です。釧路、根室、十勝、オホーツク南部をカバーし、面積としては道内最大級の広域を担当します。海霧(ガス)の発生や平野部の長距離フライトといった地理的特脈に対応しながら、一次救急過疎地域における重症患者の救命率向上に寄与しています。
4. 市立函館病院(道南ドクターヘリ)
2015年2月に運航を開始した最も新しい拠点です。渡島・檜山管内および奥尻島などの離島をカバーします。津軽海峡に面した複雑な海岸線や山間部を抱え、青森県ドクターヘリとの津軽海峡越えの広域連携協定を結ぶなど、道境を越えた救急医療ネットワークの中核としても機能しています。