一方で、動画の影響による安易な入山や遭難リスクの増加に対し、専門家からは警鐘が鳴らされている。国際山岳ガイドの第一人者である近藤謙司氏は、SNS情報の過信についてこう指摘する。「画面越しに見る美しい稜線も、ひとたび天候が崩れれば命を脅かす過酷な環境へと変貌する。映像の華やかさだけに目を奪われず、自らの体力と経験に見合った計画を立てることが絶対条件だ」。
また、公益社団法人日本山岳会も、安全登山の啓発活動に力を注ぐ。リアルタイムな気象観測データの確認方法やセルフレスキューの基礎知識、予期せぬ停滞に備えるツエルトの携行など、動画をきっかけに山を訪れた初心者に向けて、プロならではの実践的テクニックの普及を急いでいる。