ここで見落としてはならないのが、替え歌にまつわる著作権および著作者人格権の法的な問題です。「ネット上に溢れているから自由に改変して投稿しても問題ない」と誤解されがちですが、日本の著作権法上、極めてデリケートな論点が存在します。
音楽作品を無断で改変して公に発信する行為は、作詞家・作曲家が持つ「同一性保持権(著作権法第20条)」を侵害する恐れがあります。同一性保持権は著作者人格権の一種であり、著作者の意に反して作品を変更・切除・改変されない権利です。過去には、著名な楽曲の替え歌を無断でCD化・配信した事例に対し、作詞者側から改変禁止の仮処分や損害賠償請求がなされた判例も存在します。
個人の部屋や学校の友達同士で歌う「私的使用のための複製・利用の範囲(第30条)」であれば法的な問題には発展しませんが、YouTubeやTikTokなどの公開プラットフォームに自作の替え歌を投稿し、収益化を行う行為は権利侵害のリスクを孕んでいることを認識しておく必要があります。