4階へ上がると、空気がかすかに震えているのを感じる。キャパシティ800人超を誇る関西屈指のライブハウス「BIGCAT」の存在だ。インディーズの若手バンドから日本を代表するメジャーアーティスト、さらには海外アクトまで、幾多の伝説的な夜がここで紡がれてきた。ライブエンターテインメントの現場として、関西の音楽シーンを長年支え続けている心臓部である。
デジタルネイティブであるSpotify世代のリスナーにとって、この場所はアルゴリズムで見つけたお気に入りのプレイリストが「生の音」として具現化する神聖な現場にほかならない。終演後、熱気冷めやらぬ観客たちが階段に溢れ出し、そのまま1階のオープンスペースで感想を語り合う。オンラインで音楽を無限に消費できる時代だからこそ、ここでしか味わえない重低音の振動と汗の匂いが、圧倒的なリアリティを持って突き刺さる。