ネット上のマニアコミュニティで長年議論され、しばしば事実であるかのように拡散されている最大の都市伝説が、「ヒューモンガスの正体は、前作で大火傷を負った主人公マックスの親友ジム・グースではないか」という仮説です。
第1作『マッドマックス』において、警察官ジム・グースは暴走族に急襲され、炎上した車内で全身に重度の火傷を負いました。そして第2作のヒューモンガスは、後頭部に大火傷の痕跡があり、軍用・警察用の銃器ケースを所有している描写が存在します。この符合から、ファンの間では「グースが狂気に堕ちてヒューモンガスとなった」という説が根強く信じられてきました。
しかし、映画制作時の公式記録およびジョージ・ミラー監督の過去のインタビューによると、初期プロットの段階では検討されたものの、最終的な完成稿では完全に破棄された設定であることが判明しています。ミラー監督は「元警察官だったという過去を匂わせるディテールは残したが、特定のキャラクターの変転ではなく、崩壊した世界に適応した無名の元軍事指導者として描く道を選んだ」と明言しています。公式な設定としては「グースとは別人」であり、裏設定の断片が一人歩きした典型的なネットの誤解と言えます。