ネット上で頻繁に交わされる「臨床検査技師=薄給」という言説は、事実の一面を捉えつつも全体像を見誤っています。厚生労働省が公表した最新統計によると、臨床検査技師の全国平均年収は約495万円(平均年齢39.8歳、賞与含む)となっています。日本の給与所得者全体の平均年収(約460万円前後)と比較すれば決して低い水準ではありません。
しかし、なぜ「低い」と嘆く声が後を絶たないのか。その主因は、医療職種内での相対的な給与差にあります。夜勤や時間外対応が多い看護師(平均年収約510万〜530万円)や、診療放射線技師(平均年収約520万〜550万円)と比較すると、夜勤のない日勤中心の検査技師は手当が薄くなり、総支給額で見劣りするケースが目立ちます。
毎月の生活実感を左右する臨床検査技師の手取り額を見ると、額面月給が約30万円の場合、社会保険料や所得税・住民税が控除された後の実際の手取りは約23万〜24万5,000円です。新卒時の臨床検査技師の初任給は、大卒で月給21万〜23万円(手取り約17万〜19万円)、専門学校卒で月給19万〜21万円(手取り約16万〜17万円)が相場となっており、都市部での一人暮らしでは決して余裕のある金額とは言えません。