伊丹市役所の新庁舎は、国立競技場などを手掛けた世界的建築家・隈研吾氏が設計に携わったことで全国的な注目を集めました。外観から内部空間に至るまで、伝統的な木組みの技法を思わせる「千鳥格子」の木製ルーバーがふんだんに用いられており、庁舎内に一歩足を踏み入れると、木漏れ日のような柔らかな光が差し込む明るいアトリウムが広がります。
空間構成は、来庁頻度の高い市民課や国保年金課などの窓口を低層階(1階・2階)に集約し、車椅子やベビーカーでも移動しやすいフラットで広々としたユニバーサルデザインを採用。従来の無機質で圧迫感のあるお役所のイメージを完全に払拭しています。
さらに、市民の憩いの場として親しまれているのが館内の食堂・カフェスペースです。開放的なテラス席や誰でも気軽に立ち寄れるカフェエリアが整備されており、手続きの合間の待ち時間やランチタイムに、地元住民や近隣で働く人々がゆったりと過ごせる空間を提供しています。屋上テラスからは六甲山系や伊丹の街並みを一望でき、単なる行政手続きの場を超えた文化的価値を持っています。