「Wi-Fiのアンテナピクトは最大表示なのに、なぜか1MB進むのに数分かかる」という怪奇現象の正体は、データ伝送路そのものではなく、端末内部の受入体制にあるケースが目立ちます。取材班がネットワークエンジニアおよび端末修理専門業者にヒアリングを行った結果、アプリダウンロードが遅い原因の多くは以下の4つに大別されることが判明しました。
第1に挙げられるのが、端末のスマホストレージ空き容量不足です。近年のOSは、ダウンロードした圧縮アーカイブを展開しながら並行してインストール作業を行います。そのため、仮にアプリ本体が5GBであっても、一時作業領域(ワークスペース)としてその2倍から3倍の空き容量が要求されます。ストレージの残量が実質10%未満に落ち込んでいる場合、NANDフラッシュメモリの書き込み制御(ウェアレベリング)が極端に遅延し、見かけ上のダウンロード速度が急落するのです。
第2に、OS内部のバックグラウンドタスク競合です。深夜帯や充電中に自動実行されるOSのインデックス再構築、写真クラウド同期、あるいはアプリのバックグラウンド更新設定が重なると、CPUとI/O(入出力)帯域が奪われ、ダウンロード処理が著しく後回しにされます。さらに、App StoreやGoogle Playストアの認証トークンが一時的に失効しかけている場合、通信接続自体は確立しているにもかかわらず、セッションハンドシェイクが空転し続けるという事象も多発しています。