名前が似ていることから今なお致命的な混同が起きやすいのが、「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」の差異だ。前者は塩酸や食塩水を電気分解するなどして作られる弱酸性から微酸性の液体であり、主成分は高い殺菌活性を持つ次亜塩素酸分子(HClO)である。一方の後者は、いわゆる家庭用塩素系漂白剤の主成分であり、強いアルカリ性を示す次亜塩素酸イオン(ClO⁻)を主体とする。
この化学的性状の差は、人体への刺激性や腐食性に直結する。強アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムは皮膚を溶かす作用があり、取り扱いにはゴム手袋が欠かせない。これを薄めて加湿器に入れたり直接スプレー噴霧したりする行為は、呼吸器や粘膜に深刻な損傷を与える極めて危険な行為だ。両者はまったくの別物であるという認識を徹底しなければならない。