コピペを読んだ読者の中には、「自分の飼い猫が喧嘩していたら抱き上げて止めよう」と考える方が少なくありません。しかし、これは動物行動学的に極めて危険な行為です。ネットミームの裏側に隠された、知っておくべき重大なリスクを解説します。
猫が極度の興奮や恐怖、攻撃衝動に駆られている際、その対象とは無関係な第三者(飼い主や近くにいる同居動物)に対して激しい攻撃を向ける現象を「転嫁性攻撃行動(リダイレクト・アグレッション)」と呼びます。この状態に陥った猫は脳内でアドレナリンが過剰分泌されており、普段は温厚な愛猫であっても飼い主の顔や声を認識できません。
結果として、割って入った飼い主の手や腕に深い咬傷や引っかき傷を負わせることになります。猫の口腔内にはパスツレラ菌が高確率で常在しており、深い傷口から菌が侵入すると、患部が激しく腫れ上がり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や骨髄炎に発展するケースも報告されています。「コピペのように面白おかしく止めに入る」のは、現実においては重大な事故の引き金になりかねません。