騒動の火種を一瞬で巨大な火柱へと変えたのは、X(旧Twitter)における拡散スピードだった。アルゴリズムがセンセーショナルな話題を優先してタイムラインに流し込み、まとめサイトやインフルエンサーが検証なしに拡散を重ねたことで、事実関係が確認されないまま「確定事項」のように語られていく。
現代のスキャンダル報道において、SNSの拡散力は刃となる。裏付けのない噂話であっても、拡散された数字そのものが「既成事実」のような圧力を生み出してしまうからだ。スポーツ報道界のベテラン記者は、今回の熱狂に対して危機感を露わにする。「写真一枚、数行のテキストだけで個人のアスリート生命を脅かすような偏った情報拡散が常態化している。メディアも一次情報へ当たる丁寧さを失ってはならない」