彼女の芸能キャリアの幕開けは、まさに彗星のごとき華々しさだった。1981年、TBSテレビの名作学園ドラマ『2年B組仙八先生』で女優デビューを果たすと、その愛くるしいルックスと親しみやすいキャラクターで一躍お茶の間の人気者に躍り出る。翌年にはソニー・ミュージックエンタテインメント(当時CBS・ソニー)から待望の歌手デビューを飾り、同期のライバルたちとともにトップを走る昭和アイドルとしての地位を不動のものとした。
女優としても着実に実績を重ね、大ヒット時代劇シリーズ『必殺仕事人V』など多彩な作品で唯一無二の存在感を発揮。演技派としての評価を高めていた矢先、彼女の人生を大きく変える運命の出会いが訪れる。歌舞伎界の若きホープであった三代目中村橋之助(現在の八代目中村芝翫)との結婚である。華やかな芸能界の第一線から、伝統と格式が支配する歌舞伎界へと踏み出す決断は、彼女にとって梨園の妻としての茨の道を歩む覚悟と同義であった。