シリーズの原点にして金字塔となったのが、第1作『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』だ。監督を務めたまんきゅうの手腕により、絵本の世界に引き込まれたすみっコたちの冒険が瑞々しく描かれた。アニメーション制作を担当したファンワークスと、配給を手掛けたアスミック・エースのタッグは、キャラクターの持つ儚さを映像美として昇華させている。
物語の核となるのは、自分が誰なのか分からない「ひよこ?」との出会い。絵本の世界で孤独に耐えてきた存在に対し、すみっコたちは温かく手を差し伸べる。しかし、物語の結末で突きつけられるのは、あまりにも切なく残酷な運命だ。自己同一性の喪失と友情、そして選択の物語として描かれた終盤の怒涛の展開は、見る者の心を激しく揺さぶる。ラストシーンで見せるすみっコたちの決断に、涙を流さずにいることは不可能なのだ。