華やかなステージの光が強ければ強いほど、その影もまた深い。女子ボディビルが辿ってきた波乱の歴史を赤裸々に描き出し、世界中に大きな衝撃を与えたのが、Netflixで配信されたスポーツドキュメンタリー『キラー・サリー: 殺意のボディビル』だ。
1990年代に起きた痛ましい事件を軸に制作されたこの作品は、当時の業界が抱えていたステロイド使用の蔓延、過剰な肥大化要求、そして選手たちが直面していた経済的困窮や精神的孤立を浮き彫りにした。メディアやスポンサーからの冷遇に晒されながらも、自らのスタイルを貫こうとした当時の選手たちの葛藤は生々しい。
このスポーツドキュメンタリーが投じた一石は、現代のフィットネス・ボディビル業界における健全化への議論を大きく加速させるきっかけとなった。過ちの歴史と向き合うことで、現在のクリーンで安全な競技環境が再構築されてきたのだ。