政策の根底に潜んでいた本質的な課題は、防衛増税政策をめぐる中長期的な財政再建の設計図である。地政学的リスクの高まりを背景に、防衛力を抜本的に強化するための財源として、法人税、所得税、たばこ税の3税目を軸とした段階的な税調方針が策定された。
財政規律の維持を命題とする財務省のシナリオは明確だった。社会保障費の膨張と国債依存からの脱却を目指す中で、単発の経済対策で減税を行いつつも、中長期的には確実な増税基盤を構築するという二面性である。この「出口なき歳出増」と「将来の増税約束」の組み合わせこそが、国民に「結局は後から回収されるのではないか」という不信感を定着させた決定的な要因であった。