出羽海部屋の復活を強く印象づけた存在といえば、大関昇進を果たし幕内最高優勝を飾った御嶽海久司の存在を外すことはできない。大穴を開けるような激しい押し相撲と、勝負所での集中力。その才能を完全に見開かせ、賜杯を抱くまでに育て上げた陰には、師匠の細やかな観察眼があった。
出羽海親方の指導理念の根幹にあるのは、「自主性と責任感」だ。力士に指示を与えるだけでなく、自ら考え、課題を明確にして土俵に上がる習慣を叩き込む。勝った相撲からも敗れた相撲からも学びを得る姿勢を徹底させることで、一過性の強さではない、本場所で生き残る真の強靭さを植え付けている。幕内で戦い続ける門下生たちの存在は、この指導法の正しさを静かに証明している。