日本刀の頂点「天下五剣」の最強は?逸話と所蔵場所・歴史の真相について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。
天下五剣に名を連ねる刀剣は、いずれも平安時代中期から鎌倉時代中期にかけて作刀された傑作ばかりです。まずは、それぞれの刀工、文化財指定区分、現在の保管・所蔵場所、そして際立つ特徴を一覧表で整理します。
刀剣名(読み)刀工・作刀時期指定区分・現在の所蔵場所主な特徴・代表的伝承三日月宗近
(みかづきむねちか)三条宗近
平安時代中期(10〜11世紀)国宝
東京国立博物館(東京都台東区)「名物中の名物」と称される優美な姿。刃文に三日月形の「打ち除け」が無数に現れる。足利将軍家伝来。童子切安綱
(どうじぎりやすつな)大原安綱
平安時代中期(10〜12世紀)国宝
東京国立博物館(東京都台東区)源頼光の酒呑童子退治伝説で名高い。「日本刀の東西両横綱」と称される切れ味と力強さを兼奪。大典太光世
(おおでんたみつよ)三池典太光世
平安時代後期(11世紀末)国宝
前田育徳会(石川県立美術館等寄託)身幅が広く豪壮な姿。前田利家の娘・豪姫の病を治した破邪の霊刀伝説。雀などの鳥が屋根に止まらない逸話。数珠丸恒次
(じゅずまるつねつぐ)青江恒次
鎌倉時代前期(13世紀初頭)国宝
本興寺(兵庫県尼崎市)日蓮聖人が身延山へ入山する際に寄進された護身刀。柄に数珠を巻き破邪顕正の佩刀としたことから命名。鬼丸国綱
(おにまるくにつな)粟田口国綱
鎌倉時代中期(13世紀中頃)皇室御物
宮内庁(宮内庁侍従職管理)北条時政を苦しめた小鬼を自動で斬り倒した霊剣伝承。北条・足利・織田・豊臣・徳川と覇者の手を渡り歩く。
5振のうち、三日月宗近・童子切安綱・大典太光世・数珠丸恒次の4振は国の最高文化財である「国宝」に指定されています。一方で鬼丸国綱は「御物(ぎょぶつ)」、すなわち皇室の私有財産として宮内庁に継承されているため、文化財保護法による国宝指定の対象外となっています。格式や美術的価値において国宝に劣るという意味では決してありません。