本作においてリコやレグ、さらには「成れ果て」の姫であるファプタなどの身体がクローズアップされる際、一般的な少年・青年漫画の枠を大きく踏み越えた執拗なまでの肉体ディテールが描かれます。特に、幼い風貌のキャラクターに対する乳首や生殖器周辺、排泄行為や解剖シーンの描写は、連載初期から読者に強烈なインパクトを与えてきました。
読者の間でこれほどまでに話題となる最大の要因は、それが単なる「サービスシーン(お色気)」として機能していない点にあります。アビスという人智を超えた極限環境において、肉体がいかに脆弱であり、同時にいかに生々しい命の器であるかを突きつける装置として描写されているため、読者は嫌悪と美しさ、背徳感の入り混じった独特の感情を抱くことになります。