伊吹吾朗氏のキャリアにおいて特筆すべきは、時代劇ファンや昭和映画ファンだけでなく、平成生まれの若い世代やファミリー層にも圧倒的な知名度を誇っている点です。その決定打となったのが、2009年に放送されたスーパー戦隊シリーズ『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日系)での日下部彦馬(ジイ)役でした。
松坂桃李氏が演じたシンケンレッド/志葉丈瑠の教育係であり、若き侍たちを時に厳しく、時に深い慈愛で見守る日下部彦馬は、作品の屋台骨を支える名キャラクターとして絶大な支持を獲得しました。伊吹氏の持つ本物の武士道精神と重厚な存在感が、子ども向け特撮番組の枠を越えたドラマ性を生み出したと評価されています。
さらに近年では、バラエティ番組で見せた気さくな素顔も話題を呼びました。重厚な佇まいでありながら、アイドルカルチャーや最新の流行を柔軟に受け入れ、茶目っ気たっぷりに応じる姿は、若い視聴者層の間で「可愛いレジェンド俳優」として親しまれるきっかけとなりました。ジャンルに縛られず、常に柔軟な好奇心を持ち続ける姿勢こそが、伊吹氏が半世紀以上にわたって現役で愛され続ける源泉です。