ニュースで頻繁に耳にする大統領、首相、そして日本の天皇。これら三者の役割は、政治システムの中で明確に区別されている。混同しやすいこの関係を整理すると、権力のあり方が鮮明に浮かび上がる。
アメリカ合衆国大統領は、国家元首であり行政府の長でもある典型例だ。軍の最高司令官としての指揮権や法案拒否権を持ち、国家の象徴と強大な統治実権を一身に背負う。これに対し、イギリスやドイツのような議院内閣制における大統領や国王は主に元首としての儀礼的役割を担い、実質的な行政権は首相が握る。
首相はあくまで「政府の首班(行政府の長)」であり、憲法上は元首と位置づけられない国がほとんどだ。国民の代表である議会から選ばれ、政策の立案や行政運営の直接的な責任を負う。国家元首が「国家の永続性」を象徴するのに対し、首相は「日々の統治」を担う存在といえる。