当社の起源は平安時代末期に遡る。主祭神として祀られているのは、武神としても名高い誉田別尊(応神天皇)だ。厄を祓い、武運を開き、民の生活を守護してきた神の威光は、中世から近世へと時代が移り変わる中でも色あせることなく受け継がれてきた。
全国の神社を統括する神社本庁に包括される神社の中でも、悪疾や災厄を「封じる」という明確な神徳でこれほど広く信仰を集める例は珍しい。かつては小児の疳の虫や夜泣きを抑える「虫封じ」の信仰が中心であったが、時代ごとの社会不安や人々の切実な悩みに寄り添う中で、癌や難病、さらには認知症の進行を防ぐ祈祷へとその役割が深化していった。
境内奥に佇む樹齢数百年の御神木は、幾重もの歴史の試練を見つめ続けてきた。木肌にそっと触れ、静かに息を整える参拝者の姿からは、長い年月をかけて培われた信仰の重みが自然と伝わってくる。