タトゥーや刺青における見栄えを左右するのが、和彫りにおける筋彫りとボカシの違いです。筋彫りは針を皮膚に垂直気味に入れ、均一な太さで図案のアウトラインを刻む作業であり、単体では平面的かつ無機質な印象に留まります。
一方で、その内側に墨の濃淡グラデーションを施す「ボカシ(シェーディング)」や鮮やかなカラーを入れることで、初めて龍の鱗の立体感や波しぶきの躍動感、花弁の柔らかさが宿ります。下絵の段階である筋彫りだけで終わってしまうと、絵画で言えば鉛筆の下描きを剥き出しにしているようなものであり、本来の迫力や芸術性が完全に損なわれてしまいます。