物語の前半は、誰もが身に覚えのある日常を描いた上質なヒューマンドラマとして静かに進行する。しかし、中盤から事態は急変する。登場人物たちの何気ない一言や行動の裏に隠された意図が明かされるにつれ、物語は一気に息詰まる心理サスペンスへと変貌を遂げるのだ。
観客が「共感」していたはずのキャラクターが、次の瞬間には不気味な存在へと暗転する劇的な構造。緻密に張り巡らされた伏線が後半に向けて怒涛のように回収される展開は、観る者を一瞬たりとも飽きさせない。誰もが予想し得なかった衝撃のラストシーンに対し、試写会では静まり返る場内からやがて割れんばかりの拍手が巻き起こった。