温泉街の喧騒から離れたこの地で最大のハイライトとなるのが、阿蘇の峰々をどこまでも視界に収める露天風呂だ。湯船の縁と背景の連峰が滑らかに溶け合うデザインの展望大浴場「しきみの湯」は、時間帯によって全く異なる表情を魅せる。
朝もやがカルデラを包み込む早朝、山肌が黄金色に染まる夕刻。湯気越しに眺める根子岳のギザギザとしたシルエットは、息を呑むほどの静寂と神々しさを漂わせる。弱アルカリ性のやわらかな泉質は肌あたりが滑らかで、長湯をしても体が疲れにくい。日々の緊張で強張った身体が、温かい湯と雄大な風景の中にゆるやかに溶けていく感覚を味わえるだろう。