長年、斑鳩観光の課題とされてきたのが「滞在時間の短さ」だった。昼頃に到着して主要な寺院を巡り、夕方には京都や大阪へ移動してしまうパターンが定着していたからだ。この流れを一変させたのが、町内に点在する歴史的建造物や古民家を活用した滞在型プロジェクトである。
築100年を超える屋敷を丁寧に改修したオーベルジュやブティックホテルが相次いで誕生。地産の「大和野菜」や伝統的な発酵調味料を現代的にアレンジした創作料理が振る舞われ、夜の静けさとともに味わう贅沢な時間が提供されている。灯りが消えたあとの静かな町並みを歩くひとときは、宿泊客だけに許された特別な体験だ。