話は半世紀以上前に遡る。創業者の辻信太郎が率いた株式会社サンリオは、「他人の真似はしない」という確固たる理念のもと、オリジナルキャラクターの開発へと舵を切った。当時の日本は高度経済成長期の真っただ中。無機質な大量生産品が溢れる中で、人々が求めたのは他者との心の交流や、温もりを感じられるプロダクトだった。
そこに颯爽と現れたのが、デザイナーの清水侑子らが手がけた初期のキャラクター群だ。ほんの小さなメッセージカードやギフト商品に添えられたイラストが、日本のファンシーグッズ業界に大革命を起こす。単なる可愛いイラストの枠を超え、「他者への思いやり」を届けるメディアとして機能し始めたのだ。