女性が経済的な崖っぷちに立たされるメカニズムは、個人の自己責任論では決して片付けられない。ノンフィクション作家の中村淳彦氏が著書『東京貧困女子。』で暴き出したのは、真面目に生きてきた女性たちが理不尽な制度の隙間から滑り落ちていく構造的な罠だった。この生々しいルポルタージュは、WOWOWオンデマンドでドラマ化された際にも大きな反響を呼んだ。
また、アンダークラスの現実を克明に記録し続けるルポライターの鈴木大介氏も、支援からこぼれ落ちる女性たちの生存戦略を繰り返し告発している。非正規雇用の固定化、育児によるキャリアの中断、そして一度レールを外れた人間に対する再挑戦のハードルの高さ。主婦たちが直面する女性貧困問題は、突如として降りかかる事故ではなく、社会構造そのものが内包する必然的な帰結なのだ。
「夫が倒れたら」「離婚を切り出されたら」。その瞬間にセーフティネットを失う恐怖が、既婚女性の足元を常に脅かしている。