自動車産業が大きな変革期を迎える中、トヨタ自動車会長の豊田章男氏は「車は単なる移動手段ではなく、愛車としてドライバーと心が通う存在であるべきだ」と発信を続けている。自らステアリングを握りレースにも参戦する同氏が重視するのは、車両の挙動を人間がコントロールする一体感だ。
シフトチェンジや減速時の加重移動といったドライブテクニックは、まさに車との対話そのものである。意図した通りの減速フィーリングを得る操作は、安全性の確保だけでなく運転の本質的な楽しさを教え込んでくれる。
テクノロジーが高度に進化し、車が自動で判断する時代になろうとも、自動車産業の根底にある「操る歓び」と「ドライバーの安全意識」は不変だ。エンジンブレーキの感覚を身につけることは、車の挙動特性を理解する最高のアプローチと言える。