テレビ越しに見ると羨望の的となる砂かぶり席だが、その座席を手に入れるハードルは極めて高い。溜席の多くは長年相撲界を支えてきた維持員(いわゆる溜会)やオフィシャルスポンサーなどに割り当てられており、一般販売に回る席数は極めて限られている。名うてのセレブリティであっても、正規ルートや関係者からの正当な案内なしに座ることは叶わない。
さらに、この最前列には厳格な観戦マナーが課せられている。飲食や写真撮影、スマートフォンの操作は取組中一切厳禁。土俵から力士が飛び込んできた際に素早く身をかわす心構えが求められ、怪我をしても自己責任という不文律が存在する。土俵の尊厳を守るため、華美すぎる服装を控え、正座や端座で静かに観戦する姿勢が求められる空間だからこそ、そこに座る芸能人の振る舞いにも洗練された品格が滲み出る。