本拠地である阪神甲子園球場が地鳴りのような歓声に包まれた2023年日本シリーズ。オリックス・バファローズとの関西ダービーは、まさに日本プロ野球史に残る死闘となった。ピンチの場面でマウンドへ向かうリリーフ陣を後押ししたファンの大声援と、冷静に配球を組み立てるベンチワークが見事なコントラストを描き出す。
あの激闘を決定づけたのは、局面ごとの徹底したリスク管理だった。スタンドの興奮が最高潮に達するなかでも、ベンチは一切浮足立たず、1点をもぎ取り1点を守り切る手堅い野球を貫いた。聖地に響き渡った六甲おろしは、緻密なロジックが感情の爆発と融合した瞬間の産物だった。