甲冑に身を包んだ数百人の騎馬武者が風を切り、甲冑競馬や神旗争奪戦を繰り広げる。その圧倒的な光景で知られるのが、国家重要無形民俗文化財である「相馬野馬追」だ。かつて鎌倉幕府を開いた源頼朝の時代よりも古く、平将門が野馬を放って軍事演習を行ったことに由来すると伝えられる。この伝統を絶やすまいと立ち上がったのが相馬野馬追保存プロジェクトである。気候変動や継承者不足といった現代の課題に対応しながら、馬の飼育環境の整備や若手騎手の育成に情熱を注いでいる。
この勇壮な文化は国境を越えた。世界中で放送されたNHKワールドの特番において、地域歴史ドキュメンタリーとして特集されるや否や、海外の歴史ファンや文化研究者の間で大きな反響を呼んだのだ。何世代にもわたり武士の誇りを守り続けてきた相馬氏の絆が、いまや世界中の人々を惹きつけてやまない。