児童文学界に一大旋風を巻き起こした第1期『黒魔女さんが通る!!』は、2016年刊行の第20巻『黒魔女さんのクリスマス』をもって堂々の完結を迎えました。「なぜ20巻で一度幕を下ろしたのか」という疑問に対し、作者の石崎洋司氏は作中の「小学5年生の1年間」というタイムリミットを緻密に描き切るためだったと語っています。
第1期のクライマックスでは、チョコが一人前の黒魔女になれるかどうかの最終試験と、人間界での生活を天秤にかける究極の選択を迫られます。ギュービッドとの別れを予感させるシリアスな魔界の政治抗争が絡む中、チョコが下した決断は「黒魔女の力を持ちながらも、大好きな仲間たちがいる人間界で生き続ける」ことでした。試験に合格して人間を捨てるのではなく、未熟な黒魔女見習いのまま、人間界の理不尽やトラブルに立ち向かう道を選んだのです。
この結末は、単なるハッピーエンドや悲劇的な離別ではなく、子どもが思春期の入り口で「自分の居場所を自分で選ぶ」という力強い成長譚として描かれ、連載当初からの読者層に深いカタルシスを与えました。