ランキング上位の感動系作品の影に隠れがちですが、映画ファンの間で熱狂的な支持を集めるのが「不条理ホラーとギャグアクションが融合した隠れた名作群」です。
その筆頭が『ヘンダーランドの大冒険』です。この作品の凄みは、子ども時代に誰もが抱いた「夜の遊園地の怖さ」や「日常に忍び寄る異界の影」を、巧みな美術設計とアニメーション演出で表現した点にあります。人形のス・ノーマン・パーが野原家に上がり込んでくる不気味なサスペンスから、終盤の「トランプのババ抜き対決」「魔法のトランプを使ったタワー駆け上がり劇」というナンセンスの極致への転換は、アニメ演出の教科書とも言える完成度です。
さらに、西部劇の仮想空間に取り込まれ記憶を失っていく恐怖を描いた『夕陽のカスカベボーイズ』(2004年)や、純粋なスパイアクションとしてのキレ味が冴え渡る『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』(1998年)など、初期から中期にかけての作品には、日本屈指のアニメーターたちが腕を振るった驚異的な作画と映画愛が凝縮されています。