2010年6月、平成の音楽シーンを象徴する名盤となった2ndアルバム『to LOVE』をリリースし、社会現象とも呼べるブームを巻き起こしていた西野カナ。その熱狂が冷めやらぬ同年2010年8月4日に発売されたのが、通算11枚目のシングル『if』でした。
当時の西野カナといえば、「会いたくて 会いたくて」に代表されるリアルタイムな恋愛感情や、胸を締め付ける心情の生々しい描写で同世代の女性から圧倒的支持を集めていました。しかし、この『if』で提示されたのは、単なるすれ違いや片思いの描写にとどまらない、「人と人との出会いが持つ奇跡と運命論」という、より普遍的で壮大なテーマでした。
サウンド面でも、叙情的なアコースティックギターの音色とストリングスが絡み合う重厚なミディアムバラードを採用。ティーンのカリスマから、全世代のリスナーを包み込む本格派女性ボーカリストへと飛躍を遂げる決定的な転換点となったのです。